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インプラント周囲炎治療のための抗菌ジェルの基本評価

著者:  Dr Georg Bach & Christian Muller(ドイツ)

序論

口腔インプラントの初期位相で主な懸念事項とみなされてきた早期合併症は、かなり前からまれな現象となった。合併症が減った理由は、インプラントの表面が大幅に改善したこと、埋入技術が改善したこと、そしてインプラントの埋入部位を新たな方法で予測できるようになったことが挙げられる。

それにもかかわらず、インプラントの埋入数が増大するに従って後期合併症が大幅に増えた。1, 4, 12 これらの合併症は、人工歯周辺のインプラント周囲骨欠損に因って、上部構造を設置してから何年も経ってから現れることが多い。17, 20, 21, 25 患者の口腔衛生状態が良くない場合、合併症を治療しないと、これらのインプラント周囲病変によって人工歯やその上部構造が損なわれる。5, 11, 13, 14 従って、インプラント周囲治療を進展させることが現在の重要課題であると考えられている。15, 18-20, 26

露出したインプラント部位のクリーニング・消毒は必須である。For the latter step the term "decontamination" has been generally established. 3, 16除染については、複数の方法がある。3, 6, 8, 16, 21-24 本研究の目的は、試験管内試験でインプラント周囲炎の治療のために抗菌ジェルを使用する妥当性について評価することである。

写真 1a-e : インプラント周囲の欠損 - 模型: 通常はinsertion exercisesで使用するプラスチック製顎にクレーター状の欠損を作った。少なくとも3つのスレッドが露出するように、これらの欠損の中央に新品のインプラントを埋め込んだ (a-c)。ファーネスや培養液が入っているバイアルに入れやすくするため、顎をさらに小さいユニットに分け (d & e)、第二相試験(細菌培養、ペリソルブの塗布、微生物学的診断等)を行う前にオートクレーブした。

材料と方法

試験は第一、第二相に分けて行った:
a) 第一相: 新品の滅菌インプラントの除染法 ? 植菌後、抗菌ジェルでコーティングする。
b) 第二相: 植菌し抗菌ジェルを塗布した後、模擬骨欠損を施したプラスチック製顎に埋め込んだインプラントの除染法。

第一相: 植菌したインプラントの除染法

除染プロセスの 一般的適合性を評価するため、新品のITIインプラント(スイス、バーゼルInstitut Straumann AG)をInstitute for Medical Diagnostics Bioscientia(ドイル、フライブルク)で細菌学的に処理・分析した。

インプラントの汚染 - microbial procedure:

インプラントを菌液に浸す(MRSA ATC C 33591の一夜培養物):
滅菌した鉗子を用い、インプラントをペプトン酵母抽出液10 mlに各々置いた。試験管を36 °C 、5~10 % CO2で48時間培養した。48時間培養した後、液体を真空濾過し、滅菌した鉗子を使ってインプラントを最初の容器に戻した。さらに試験を行うために細菌増殖が中程度のインプラントを使用した。細菌増殖が低いまたは非常に低い程度のインプラントは除外した。4つのインプラント各々に対して2種類の試験を行った。

汚染したインプラントの除染法:

微生物的作業が完了した後、除染法として4つのインプラントのうち3つに抗菌ジェルを塗布して2分間放置した後、微生物学的分析を行うためにInstituteに直ちに移送した。インプラント1つは陽性対照として取り置き、除染しなかった。

表1: 第一相試験の結果
インプラント上の細菌増殖

写真2a-f: SEM分析: 新品の滅菌インプラントに植菌し、微生物懸濁液で培養した。写真2aは、この出発物質の走査型電子顕微鏡像である。写真2bはインプラント上のbacterial turfである。ペリソルブを塗布した後、細菌のコーティングが剥がれ、インプラントの表面からbacterial turfが無くなった状態である (c & d)。これらの「露出したスポット」はインプラント構造が変化していない (e & f) ので、ペリソルブを塗布してもインプラントの表面自体は変化しない。

微生物調査を行うためのインプラントの準備

インプラントにジェルを塗布し、すぐに滅菌した栄養培地の入った試験管に入れ、微生物分析を行うためにInstituteに移送した。Institute では通常の(平板)培養でサンプル処理した。

インプラントの走査型電子顕微鏡研究

いくつかのインプラントを走査型電子顕微鏡で調査した (Institut Straumann AG)。

第一相試験の結果 - 汚染されたインプラント全体の除染法(表1)

走査型電子顕微鏡研究

ペリソルブを塗布したインプラントには、”bacterial turf” が阻害または分解/除去された箇所があった。Bacterial turfのない基底部は、インプラントの構造は元の状態を保っていた。植菌せずにペリソルブのみを塗布したインプラントは、ジェルによってインプラントの表面が変化することはなかった。つまり、ペリソルブを使って処置した後、インプラントの表面は変化せず、植菌した細菌感染層は部分的に分解したことがSEM分析でわかった。

微生物学

第一相試験では、細菌が非活性化し、残りのMRSA細菌はB1のテスト項目1つのみで検出されたことが示された。

第一相のまとめ - 汚染されたインプラント全体の除染法

対象となるジェルは、インプラントの表面構造を変化させずにインプラントの表面に存在する細菌を著しく破壊することができる。

第二相: 模擬インプラント周囲組織欠損を施したプラスチック製顎に設置した汚染インプラントに対する抗菌ジェルの効果を検証

ジェルの塗布の原理適合性を評価する第一相試験終了後、第二相試験を行った。

写真 3a-h: 第一相: 本研究では新品の滅菌インプラントを使用した。SEM評価に使用するインプラントはオリジナル容器に保管した。MRSA菌液を使い捨て滅菌シリンジ (a) に入れ、オリジナル容器に入っているインプラントに直接塗布した (b & c) 。その後、SEM分析を行うために移送した。微生物検査を行うインプラントを容器から取り出し、MRSA菌液に直接入れた (d & e)。1分間植菌した後、インプラントを取り出し、ペリソルブジェルでコーティングした (f & g) 。メーカーが規定する時間浸した後、インプラントを栄養培地の入った試験管に入れ、微生物試験を行うために移送した (h)。

 

表2: 第二相試験の結果
模擬骨欠損の細菌DNA

模擬インプラント周囲欠損の準備

インプラント(Institut Straumann AG) をプラスチック製顎に設置する。インプラント設置前に標準化したクレーター状の(インプラント周囲)欠損を施した。3つのスレッドがプラスチックに陥没しないように、インプラントを欠損の中央に設置した。このようにして、典型的なインプラント周囲炎をシミュレートした欠損状態を作った。さらに、より良く処理するために顎を小型のインプラント/プラスチック製顎ユニットに入れた。これらのインプラント/プラスチック製顎ユニットをオートクレーブした。

インプラントの汚染

その後、インプラントの露出面を菌液で汚染した。周方向欠陥も菌液に完全に浸した。4つのインプラント/プラスチック製顎ユニット各々につき2種の試験を行った。

微生物学的手段:

菌液 (MRSA ATCC 33591 - ATCP strain) を準備し、BHI培地に浮遊させた。この“stock suspension” の細菌数は、約108~109 細菌/mLだった。インプラント/プラスチック製顎ユニットに植菌するため、培養したMRSA懸濁液100 μlをピペットで模擬骨欠損に入れた。これは各々約107~108 細菌/100 μlに相当する。

模擬インプラント周囲欠損の除染法

模擬骨欠損4つのうち3つにペリソルブを塗布した(詳細は「第一相:を参照のこと)。
塗布後、2分間放置した。陽性対照とするインプラント/プラスチック製顎ユニット1つは除染しなかった。

微生物調査に使用するインプラントの準備

次にユニットを10 mLのBHI培地(ブレインハートインフュージョングルコース)に設置した。インプラント/プラスチック製顎ユニットは培養用オーブンに入れた。湿度の高い環境をつくるため、滅菌蒸留水を入れた小型三角フラスコをポットに入れた。ユニットを36 °Cの好気性環境下で培養した。

2日間培養した後、ユニット1の模擬骨欠損を乾燥させ、ユニット2~6の骨欠損はやや湿気がある状態で放置した。これらのユニットに残った液体は、ピペットを使って取り除いた。

インプラントにジェルを塗布し、滅菌した栄養培地の入った試験管に入れ、微生物分析を行うためにInstituteに移送した。通常の(平板)培養でサンプル処理した。

第二相の結果(表2)

除染したインプラント/プラスチック製顎ユニット6つのうち5つと制御ユニットで残りのMRSAが検出された。所見は5ユニットのうち3ユニットが「有意significant」、他の2ユニットが「明白distinct」と分類された。さらに、1ユニットでバシラス属が検出された。これは環境汚染物質とみなすことができる。

写真4a-i: 第二相 新品の滅菌インプラントをプラスチック製顎の模擬骨欠損に埋め込んだ。これらのインプラント/プラスチック製顎ユニットをオートクレーブした。 その後、MRSA溶液を模擬インプラント周囲欠損に注いだ (a-c)。その後、ユニットを特別なオーブン内で培養し、「大量の」MRSAが存在することを証明した。このとき、ペリソルブジェルを塗布した(d-f)。メーカーが規定する時間浸した後、サンプルをBHI培地に入れ (g & h)、微生物試験を行うために移送した (i)。

除染後の培養試験

除染と簡易乾燥を行った後、微生物を散在的に再培養することができた。

予備的サマリ

抗菌ジェルであるペリソルブを塗布したところ、他の除染法と比較して、第一相・第二相生体外実験の両方において微生物学的観点から満足できる除染結果が得られた。全てのサンプルで細菌数の大幅な減少が見られた。しかしながら、第一相では滅菌できたが、第二相では完全に滅菌できなかった。

抗菌ジェルはインプラントの表面に変化を与えず、ジェルには(植菌された)bacterial turfの分解に一定の効能があることが上記手順で行われたインプラントのSEM像で示された。

評価結果の限界として、提示された調査は実際の炎症性要素がない「非ヒトの環境」下の試験管内環境で行われたことを明記しなくてはならない。従って、提示した方法で行った際の基本的な適用性について最初のアプローチとしてみなすことができるが、試験方法の決定的な除染の有効性についてはいかなる場合も明示できない。

謝辞

微生物試験相および走査電子像の準備にBrodner博士(ドイツ、フライブルク、Institute Bioscientia)とInstitut Straumann AG(スイス、バーゼル)より多大なご支援をいただいたことに特に感謝いたします。また、Straumann Germany GmbHよりプラスチック製顎とインプラントをご提供いただいたことに感謝します。彼らの尽力なくして、本研究を行うことは不可能でした。

連絡先

Dr. Georg Bach, Germany

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